Love Difference 〜the long ago and the now〜
「もう良いよ、雷青。じゃ、俺がまとめて説明するから。良い、薫?」

「うん、始めて。」

「まず、雷青は我が青影家の御先祖。雷青はタイムスリップ…時越えをしたって事になる。時代は江戸時代末期から明治時代初期かな。雷青が言ったとおり、雷青の父さんには名字は有るけど、雷青自身には名字は無い。それは、雷青の父さんが二十四の時に浪人になってるから。ちなみに雷青の両親は、父さんが三十、母さんが二十一の時、旅先の旅館で殺されてる。雷青はその時三歳。雷青の後見人になったのは、雷青の乳母だった[お蘭]って人。…此処までは良い?」

太一は置いてあったオレンジジュースを飲んだ。

「太一。要するに、青影家は一度断絶してるって事?」

薫が聞いてみた。すると、すぐに返事は返ってきた。

「そういう事。そんな雷青に目を付けたのは、花岡志乃丸って人。雷青と志乃丸は契約を結んだんだけど、その契約があまりにもずれていた為に、志乃丸の家来・直一郎は志乃丸を怒鳴ったと言われている。優しいって評判の志乃丸に雷青はかなり真面目に仕えただろうね。……どう?雷青、当たってる?」
< 11 / 86 >

この作品をシェア

pagetop