Love Difference 〜the long ago and the now〜

雷青はヤケになって反抗した。それだけ志乃丸が好きなのであろう。しかも腕まで振り回している。太一は雷青の腕を上手く避けながら、慌てて言った。

｢分かった、分かった。花岡志乃丸は優しいんだよ…な？｣

｢はい！｣


　　　　★★


その後の雷青の努力には、目を見張る物が有った。

まず英語以外の主要四教科の苦手を出来る限り減らした。その後、英語を基本から学んだ。これには英検四級の薫が大活躍した。更に、実技五教科もみっちり学んだ。

元々、雷青は学問は出来る方なので、どの教科も飲み込みが速かった。また、太一や薫も雷青と共に学習したので復習出来た。

三人の全ての学習が終わったのは、始業式前日の四月八日だった。

｢ふー。や…っと……終…わった………。｣

太一の虚ろな溜め息が部屋に響いた。太一はしっかり睡眠時間を確保しているのに、相当の体力消耗があったらしい。