Love Difference 〜the long ago and the now〜
千賀也の誉めようが一番凄かった。

「雷青マジ声キレイじゃんか。これなら音楽のペーパーテストが0点でも成績は5になるよ。聞く人皆が雷青の声に聞き惚れちゃうぜ。ジョン・健・ヌッツォなら……、そうだな、自殺を試みるかもしれないな。雷青の歌声を聞いたら、どんな歌手でも卒倒するしかないよ。もし卒倒しない奴が居たら――、………ソイツはルックスで売る様な野郎なんだろうな。」

「千賀也アンタ誉め過ぎ〜!確かに雷青の声は超綺麗だけど。だいたい、ジョン・健・ヌッツォってテノール歌手じゃないの?雷青はどう考えてもアルトだから。それと、音楽のペーパーテストが0点で成績が5って有り得ないし。アンタ何考えてんの?」

千賀也の言葉も千賀也の言葉だが、薫の突っ込みも薫の突っ込みだった。

「うわっ!厳し〜いお言葉っ!いくら従兄弟でもキツ過ぎるぜ。」

「で………、千賀也も歌いたいんだよな。」

太一が言った。

「そう!俺は何歌おうかなぁ?じゃ、ポルグラの『アゲハ蝶』でいこう!」
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