Love Difference 〜the long ago and the now〜

｢千賀也！アンタ『アゲハ蝶』で、アンタの言う[俺らしい格好良さ]はアピール出来んのっ？｣

千賀也は薫の言葉に対して、ゆっくりと微笑んだ。

｢分かんないから、やってみるんじゃん。駄目で元々だよ。ひょっとしたら、上手く歌えるかもよ？｣

雷青と太一と賀は思わず絶句した。ややあって、太一が続けた。

｢性格が変わった。千賀也じゃねえ。｣

｢昨日までの千賀也より、ずっと前向きになってる。凄い。｣

薫の言葉に頷き、千賀也は続けた。

｢[好きな人の前で頑張る]ってのは、男女共通の人情だと思うんだ。俺にとっての"好きな人"ってぇのは―――。｣

千賀也の指がスッと伸びた。伸びた指は雷青に向けられていた。