Love Difference 〜the long ago and the now〜
「良いんだ。俺は、薫を守りたい。薫にケガ一つ負わせなかったら、また俺に返してくれない?」

「太一…、分かった。」

「もし俺が薫にケガさせたら、リボン返してくれなくて良いよ。俺も、髪切っちゃうし。千賀也、俺を部活でFWとして試合に出させたいなら、警察呼んできて。学校で噂にならないうちに。」

笑う千賀也は無敵だった。

「俺は、太一みたいなラッキーチャームFWは放っとかねぇ。にしてもオマエ、凄ぇ一途だな。小三?誕生日にもらっても四年と三カ月だぜ?そんだけの間、想い続けてきたのかよ…。」

本当は、幼稚園の年長組からだ。ずっと想い続けてきたんだから。"好き"って事も、"ケガさせたくない"って事も。九年間以上も…。俺の動きとか、歌う歌で、分かってくれると思ってたから。だけど、――だけど、薫は分かってくれなかった。

口に出して言わないと、言葉は伝わらないんだ。だから、俺は此処で伝えたんだ。此処で…。

千賀也がケータイを取り出して、110と押そうとしてる。俺は口を開いた。
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