Love Difference 〜the long ago and the now〜
「俺は、薫の為なら、死んでも戦う。だから――、どっからでもかかってこい!!」

「望む所だ。」

ヤンキー達がナイフをパチンパチンと開いている間に、俺は髪を括ってある黒いカラーゴムを外して腕にはめた。黒髪が、背中や腕にまとわりつく。リーダー格が叫んだ。

「かかれぇっ!!」

俺は左腕で空手の防御技をした。二本のナイフ、じゃなくて三本のナイフが左腕に叩き込む。どんどん多くなり、深くなっていく傷が、俺には勝利の印に見えた。ナイフの切っ先が、俺の額や頬をつつく。

腕を右に変えて、タイミングを計った。薫に『犯す』とか『顔に一生治らない傷を付ける』とか言って、薫を怖がらせた、怯えさせた二人組を回し蹴りで倒すタイミングを。

リーダー格はまだ良いよ。俺も金払うの手伝うし。だけど、この二人は、薫の心にも言葉のナイフで傷を付けた。心の傷は一生治らないんだよ!!俺は、それを知ってるから。

回し蹴り二連発をしてる間に、額と頬に傷が付いた。これじゃあ顔中がケガだらけになっちまうよ。それだけじゃなくて、両目の周りが痣になってるし。…これ、ナイフで出来た傷じゃないよな…。向こうも速くくたばれば良いのに。でも、俺にはそんなの関係無ぇよ。俺は、薫に傷を付けなければ、それで良い。これで俺、失明したら、さすがに困るけど。
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