Love Difference 〜the long ago and the now〜
俺が倒れそうになった時に、雷青がTM NETWORKの『RESISTANCE』を流してくれた事。

何とか気を持ち直した時に、警察がやって来た事。

で、今に至る事。

四人で帰る途中に、彼方翼と会った。

「おっ、何やってんの?太一と千賀也と鬼本と…青影雷青さんだっけ?しかも太一、どうしたんだ?そのケガ。」

「んっ?翼か〜。いや、このケガはヤンキーに絡まれた薫を、この俺が助けた時に出来たんだ。…って翼、オマエの後ろ居んの…誰?」

翼はニタニタとした笑みを浮かべた。

「あっ、この人は…佐藤一音(さとう かずね)ちゃん。俺の彼女。」

「彼女ぉ〜っ!…つかクラスメートじゃん。噂すぐ回るよ。良いのか?」

千賀也の絶叫は赤く染まった夕方の空に吸い込まれていくのが、馬鹿な俺でも分かった。

「良いんだ話が広がっても。俺等の愛は不滅だし。」

「うっわっ〜!すっごいクサい台詞じゃん!」

「彼方ってそ〜ゆう趣味が有ったのか…。」

雷青にまで言われた翼は、[お願いモード]の目で俺を見た。俺は顔を逸らして、口笛を吹いた。
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