Love Difference 〜the long ago and the now〜
どうやら雷青の絶叫を悲鳴と間違えて駆けつけて来たらしい。

「いや、…何でもないよ。……変な夢を見たんだ。」


     ★★


約130年前の朝。

「直一郎……。」

「何でございますか?志乃丸殿。」

「寂しい夢を見たんだ。雷青が悲しんでいるんだ。どうやら僕の言葉に悲しんでいるみたいなんだけど、僕は何を言ったのか、どういう行動を取ったのか、全然覚えてないんだ。…どうしょう?」

志乃丸はふーっと溜め息をついた。

「雷青、どうしているかな?やっぱり東京に置いてけぼりにするのは、いけなかったのかな?寂しがってないかな?……会いたいな。」

「志乃丸殿…。」

「…やっぱり、会いたいよ。東京に戻ろうかな?どうすれば良いんだろう…?」

志乃丸の目からはボロボロと涙が出て来た。そのまま泣き崩れる。

「会いたいよぉぅ。」

「…志乃丸殿…。」
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