Love Difference 〜the long ago and the now〜
直一郎は泣き続ける志乃丸の背中を撫でた。この二人は、『雷青が明治の世に居ない』という事を知る由も無かった。


      ★★


ミーンミンミンミンミーン。ミーン。

夏休みも半分過ぎた。太一は数学の問題を薫&雷青&千賀也の三人がかりで教えてもらっていた。ちなみに、太一以外の三人は、宿題として三週間前に自力で解いていた。

「ふー。やっと数学終わったぜ。」

「それを言いたいのはこっちだよ。ったく、どうしてこう、太一は数学が出来ないんだ。」

「あたしなんて二時間で終わったよ。太一は五日がかりじゃん。」

「ま、それは置いといて。」

「置いとくのかよ。」

雷青のツッコミを無視して、太一は青いケータイを取り出した。

「英先輩の所に電話しよう!」

「英先輩、受験生なんだから、あんま邪魔しちゃ駄目だよ。」

「分かってるって。もしもし?英先輩?」
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