Love Difference 〜the long ago and the now〜
「ほらそこ!話の骨折らない!ほら、晴香ちゃんからも何か言ってよ!!」

「太一と端強!そこうるさい!話が進まないっつの!――で、晴一、どう思う?」

皆は忘れていた。晴一がマシンガントークだという事を。

「青影雷青?あ〜、可愛い女の子だったよね。にしても変わった名前だよな。[青]の字、二回も入ってるし。普通、名前に[雷]なんて使わないよ。それから、[雷]に[青]で[らお]って読まないよ。あっ、名前はどんな読み方させても良いんだっけ?それと、江戸の世では珍しく無かったかもしんないな、親と離れて暮らすってのは。奉公に出した人、多かっただろうし。でもさ、『親の顔を知らない、親がどんなものなのか分からない』ってのは意外だな。要するに生き別れなんだろ?えっ、違うって?(此処で太一が訂正を入れた)浪人の子だから、身の危険を感じて、蘭って人に預けたって?そんなのどうだって良いじゃん。(「良くないっ!」と太一が突っ込んだ)で、青影が三歳の時に、彼女の親とは死に別れてる。だから、親の顔を見た事が無いっと…。あとさ、青影も別に奉公に出されてた訳じゃないんだろ?その蘭って人も花岡志乃丸とか青影とかと一緒に暮らしてたんだし。親の顔を見てないってのも悲し」
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