Love Difference 〜the long ago and the now〜
俺、その時は白血病で死ぬ人が居るって事知らなかったから、ただ重い風邪の仲間だと思ってた。だから頑張って入門用の医学書読んで、理科の体の仕組も学んだ。とにかく唯笑の病気を治して、また一緒に遊びたかったんだ。そしたら、白血病を治すには、病人の骨髄に該当する骨髄が必要だって。

白血病で亡くなる人を減らす仕組として、[骨髄バンク]が在るんだけど、年齢制限が有って…。やりたかったけど俺、引っかかっちゃったんだ。でも取り敢えず調べてもらえた。

唯笑は手術する事になっていて、手術当日になった。ぴったり合った骨髄は無かったけど、唯笑の持ち前の回復力と強さで、近い骨髄で手術した。俺の骨髄が分かったのは、手術開始一時間前だった。必然的偶然かな?俺の骨髄は唯笑にぴったり合う奴だったんだ。超複雑な心境になったな。俺が唯笑を助ける事が出来るかもしんないんだからな。でも出来なかった。一時間じゃ間に合わないし、そもそも年で引っかかってるし。

唯笑の手術は、その時は成功した。だけど、その日の夜にまた、倒れて……。手術から一週間で死んでしまった。
< 75 / 86 >

この作品をシェア

pagetop