鈍感彼女
真実
放課後、無理矢理屋上に行かされた
「うわっ...」
本当に姫乃が居るよ...
「斗真...」
「話ってなに?俺、早く帰りたいんだけど」
「ごめんなさい...」
姫乃が頭を下げた
俺は黙って何も言わない
「采史は...あたしの元カレなの...」
あの男が?
遊びで、付き合った奴なのか?
「采史とあたしは...中学1年生の時に付き合ってたの...」
「だけど...采史は...急にアメリカに行ってしまった...。あたし達は...学校でも有名なバカップルで...アメリカから戻ってきたら絶対会いに行くって約束して、采史はアメリカへ行っちゃった...」
「...それで今になって戻って来たって意味か?」
姫乃は頷いた
俺は捨てられたってことか
姫乃は俺を選ばずに、采史って男を選んだのか...
「戻って来た時は、本当にびっくりした...采史が...今になって戻ってくるなんて思わなかったから...。あたしは、斗真だけが好きだったから...斗真と一緒に居たかったから...」
「でも結局、俺よりもあの男が好きだったってことだろ?」
「違うッ!!!」
「何が違うんだよ。お前の言いたいことが分かんねえんだよ。急にあの男とくっつきやがって...そんなに俺と居るとこをアイツに見られたくなかったのか?結局アイツが好きだったって意味だろ?それだけ...アイツが好きだったってことじゃねえのかよ!!!」
俺は、つい怒鳴ってしまった
「俺はアンタと付き合った記憶は全部ねえしアンタと関わった記憶もねえ。だからもう...俺に近寄んな。アンタも、他の男のことが言えんのかよ?浮気女」
俺はそう吐き捨てて、屋上を後にした