鈍感彼女


「捕まえた!!」


グラウンドの真ん中あたりで、姫乃を捕まえる


俺に足で勝てるわけねえだろ


「で?どういうつもりだよ」


「.....」


姫乃は俯いたまま喋らない


「何も言わねえと分かんねえだろ」


「......」


「5秒以内に言わないと今すぐ犯す」


「はっ!?」


「いーちっ」


「ちょ、待ってよ!!!」


俺は数を数える


「にーっ」


「わ...」


「さーんっ」


「分かった!!分かったから!!!」


「それでいい」


数えるのをやめて姫乃に笑う


「采史は...あたしのお兄ちゃん...なの...」


「兄弟愛ってやつか?」


そんなの、あんのか?


だけど、姫乃は頷いた


嘘ぉ!?


そんなのあるの!?


「あたしと采史は...ダメだと分かってても...好き合った...。だけど...アメリカに飛んで...」


アメリカへ行ったのは本当なんだ









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