鈍感彼女


「遊びとかで付き合わなかった?」


「付き合ってないな、全然」


俺、こう見えても綺麗だからな


「じゃあお母さんの前に付き合った人、どんな人だった?」


「んー...鈍感彼女、かな」


「ちょ、それ超聞きたい!!!」


「はいはい...」


喰らい付くとは思ってなかったな


「俺が高1の時にその子とは出会ってな」


「高1!?それが初めての彼女!?」


「そうそう」


高1が初めての彼女...


「その子は、付き合う子全員遊びだったって聞いた。全員が体目当てで...」


「親父も?」


「俺は違った。有羽ってやつが居るだろ?」


「あぁ、有羽さんだろ?」


「有羽は、女遊びがひどくてさ」


今もだけど...


「有羽からの紹介でその子とは出会ったんだ。遊びだろって軽い気持ちで付き合った。だけど...いつの間にか本気で惚れてたんだ」


翔琉は真剣に聞き入る


「けど...1年もしないうちに別れたよ」


「なんでっ!?」


「彼女には、他に想ってた人が居てな。俺には...到底超えられないんだ」


「ふーん...親父はそれで諦めたのか?」


「諦めたよ。彼女が幸せと思えるなら、俺はそれでいい。それで合ってるって思えたから」


「なんで?なんでそう思えるの?」


翔琉は身を乗り出して聞いてくる









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