鈍感彼女
浮気
「斗真~」
「ンだよ」
今、昼休み中
まあ俺はいつも昼休みみてぇなもんだけど
「お前、最近姫乃ちゃんばっかに集中してんじゃん??」
「別にそんなんじゃねえけど」
「そんなんじゃそのうち、本気で惚れちまうぜ?」
「そうだなー」
別にそれでいいし
俺にとっては都合がいい
なんて考えてる俺はバカなのか?
「そこでっ!!斗真も浮気をしなさい!」
「は...?」
ビシッと俺に指を差す
「何言ってんだよ、お前は」
「違う高校でさ、斗真のこと好き~♥って言ってるやつ居てさ?」
「俺、知らねえよ」
会ったことも話したこともねえだろ
「俺、こっそり斗真を写メってたんだよね♪」
有羽は御茶目に笑う
「...てめえ...この野郎...」
何写メってんだよ!!
そう叫ぼうとしたとき、教室に笹山が来た
「笹山!!」
俺が呼ぶと嬉しそうに手を振って来る
「ちょい行ってくる」
「へいへい」
俺は席を立って、ドアのとこへ向かう