鈍感彼女


「だから?俺らが付き合ってることなんか全員が知ってることだろ?」


たいして問題ねえし


「もうっ!はい、教科書」


「ありがと。帰りに返すよ」


「うん!!授業中、寝てないでね?」


「寝ねえよ。いつも姫乃のこと考えてる」


耳元で囁くと余計に赤みを増す姫乃の顔


「斗真のバカっ!!」


ポカポカ叩かれる


「クスッ。じゃあ教室戻るから」


姫乃の長い髪をサラッと後ろに流す


「うん!!また帰りに!!」


姫乃は自分の教室へ入っていった


俺はそれを見て、教室へ戻った


...実は教科書持ってんだよね


だけど、姫乃に会いたくなってさ


授業に出るつもりもないんだけどさ


...姫乃から借りた教科書か...


しょうがねえから勉強するか


「え!?斗真、授業出るの!?」


驚く有羽


「まあな。テスト近いし」


「えー、つまらねえ!!屋上行こうぜ~?」


「勝手に行って来い。次の授業は俺、出るからさ」


「へいへい。ったく...姫乃ちゃん一途かっつうの!!」


「うるせぇ」


別にそれでも関係ねえだろ












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