鈍感彼女
~♪
携帯が鳴る
有羽からの電話だ
「...もしもし」
『お前、今何処?』
「...駅」
『今から学校戻って来いよ』
「もう俺、帰るから」
『ちょ、斗真!!』
まだ何かを言いたげな有羽の電話を切る
ゆっくりと、家に帰る
こんなにも、遠かったんだ
いつもは...姫乃と電話してたから...
あっという間だったのに...
今は俺1人
姫乃...泣いてんのかな...
最低だ、俺...
「クソッ...」
道の途中で立ち止まって、空を見上げる
今にも雨が降りそうな雲
...これは、姫乃の心の中なのか?
今にも...泣き出しそうな姫乃...
いや...もう泣いてたか...
姫乃の軽蔑した瞳が蘇る
もう...前みたいに話せねえ...
俺から姫乃を突き放した....