鈍感彼女
次の日は、雨が降っていた
あのまま雲はとどまっていた
姫乃の心のように...
「斗真!!」
学校へ行けば有羽が怒る
「...ンだよ...」
「彩歌ちゃん、泣いてたぞ!!」
「....あっそ」
俺だって泣きてえよ
「謝れよ、彩歌ちゃんに!!」
「...断る」
「なんでだよ!?」
「ッ...」
有羽が俺の胸倉を掴む
周りの連中は驚いてる
だっていつも俺らは仲が良かったから
「...離せよ」
有羽の手をチラッと見る
「斗真、最近変。本当に姫乃ちゃんに惚れたのかよ?」
「.....」
「遊びだって、言ってたじゃねえかよ!?」
「.....」
俺は何も答えない
「黙ってねえで、何か言えよ!!」
「...たしかに最初は遊びだった。だけど...アイツの目を見てると、どうしても笑えてくるんだよ。俺が...アイツの目を守ってやりたくなった」
この言葉に、何1つ嘘はなかった