鈍感彼女


「え、休み?」


「うん。お休みしてるよ、姫乃」


姫乃と一緒に居る連中に聞く


「それはそうと...桐吾君、浮気してたんでしょ?」


「...あぁ」


つい目を伏せる


「姫乃ね、最近幸せそうだった」


「え?」


「桐吾君が告って付き合い始めた日からね、笑うようになったの」


「.....」


「あたし、中学から一緒でね?前のことは分からないけど...よく聞く話は笑わない子だったんだって」


「原因は...姫乃の両親がね...」


「...嘘だろ...」


衝撃的だった


姫乃は...そんな複雑な気持ちを抱えてたなんてよ...


アイツはいつも笑ってて、バカみたいに顔赤くして...


なのに...家庭内暴力を受けてて...


この高校は滑り止めだったんだ...


公立に落ちて、私立に通うなんて親が許すだろ?


公立に落ちたんだから私立...


しかもその公立にはほとんどが元カレばっか


姫乃は...どんなけ苦しんだんだろう


そいつらは、俺と同じだったんだろうか


浮気で付き合って、ただの体目当て


俺は違ったとしても、姫乃から見れば同じようなもんか...









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