鈍感彼女
「だから桐吾君」
「はい」
なんで敬語になったのか分からない
「姫乃のこと、本気で好きなら...あの子を助けてあげてください」
「.....」
「きっと姫乃の心は、崩れてボロボロなんだと思います。だから...あの子を救えるのは桐吾君しか居ないんです」
「...言われなくても、分かってる」
アイツを救えるのは、俺ぐらい
アイツを...こんなにも好きでいるなんて俺ぐらいだろ
物好きは俺だけで十分
他のヤローなんかに...姫乃は渡さねえ
「はい、コレ」
「あ?」
姫乃の友達から1枚の紙を受け取る
「なにこれ?」
開くと住所が書いてあって地図が描いてある
「誰の?」
「姫乃の住所と行き方。お見舞いに行ってあげて?そこで...全部を話してあげて」
「...ありがとな」
「いーえ。姫乃を泣かせたら許さないからさ!!」
「分かってる」
制服のポッケに入れる
姫乃、いい友達持ったな?
俺、誓うよ
俺、絶対...姫乃を泣かせねえからさ