鈍感彼女


「聞いてると思うけど...あたしが受けた公立はね...頭が良くて有名な高校だった...でも...あたしは落ちた。滑り止めであの高校を受けてたから...まだ良かったけど...」


「あたしは、落ちて本当に良かったって思った...だってね...?あの高校には...元カレがいっぱい居たから...あたしを...弄んだ男たちがいっぱいだったから...落ちて本当にホッとした...。だけど、お母さんは許してくれなかった...。あたしの勉強の方法が悪いんだって...あたしを責めた...」


「うん」


泣いてる姫乃を後ろから抱き締めて、そのままベッドに座る


「元カレはね...?全員...体だけが目当てだった...付き合って1か月もしないのに...すぐにヤってた...。本当言うとね...?斗真から告られた時も...疑ってた...この人も、遊びなんじゃないかって...」


「うん」


「でも...元カレは1回もしてくれなかった手を繋いでくれたり...俺のモンだって言ってくれたり...あたし自身を大切にしてくれてた...あたしも...斗真に魅かれていったのが...日に日に分かった...」


「姫乃...」


「わがままだろうけど...あたし...斗真と別れたくないよ...」


「俺だって...別れたくねえけど...俺なんかと一緒に居ていいのか...?また苦しめることになるよ...?」


「それでもいい...。家以外で...斗真との居場所を作りたいの...」


「そんなの、簡単だろ?」


クイッと姫乃の顔を後ろ振り向かせてキスをする


「俺がお前の母さんを説得させてやるよ」


「え...?」


姫乃は驚いてる


「無理だよっ!!お母さんなんか...説得できないわ...」


「出来ないとか無理だとか、弱気な言葉は俺嫌いなんだよね。やってみなきゃ分かんねえし。弱気になっちゃ何も出来る気、しねえよ?」


「.....」


姫乃が黙って前を見る


...姫乃の中で何かが変わればいいんだけどな...


俺と居ることで少しは楽になってくれればいいんだけどな










< 40 / 113 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop