鈍感彼女
「聞いてると思うけど...あたしが受けた公立はね...頭が良くて有名な高校だった...でも...あたしは落ちた。滑り止めであの高校を受けてたから...まだ良かったけど...」
「あたしは、落ちて本当に良かったって思った...だってね...?あの高校には...元カレがいっぱい居たから...あたしを...弄んだ男たちがいっぱいだったから...落ちて本当にホッとした...。だけど、お母さんは許してくれなかった...。あたしの勉強の方法が悪いんだって...あたしを責めた...」
「うん」
泣いてる姫乃を後ろから抱き締めて、そのままベッドに座る
「元カレはね...?全員...体だけが目当てだった...付き合って1か月もしないのに...すぐにヤってた...。本当言うとね...?斗真から告られた時も...疑ってた...この人も、遊びなんじゃないかって...」
「うん」
「でも...元カレは1回もしてくれなかった手を繋いでくれたり...俺のモンだって言ってくれたり...あたし自身を大切にしてくれてた...あたしも...斗真に魅かれていったのが...日に日に分かった...」
「姫乃...」
「わがままだろうけど...あたし...斗真と別れたくないよ...」
「俺だって...別れたくねえけど...俺なんかと一緒に居ていいのか...?また苦しめることになるよ...?」
「それでもいい...。家以外で...斗真との居場所を作りたいの...」
「そんなの、簡単だろ?」
クイッと姫乃の顔を後ろ振り向かせてキスをする
「俺がお前の母さんを説得させてやるよ」
「え...?」
姫乃は驚いてる
「無理だよっ!!お母さんなんか...説得できないわ...」
「出来ないとか無理だとか、弱気な言葉は俺嫌いなんだよね。やってみなきゃ分かんねえし。弱気になっちゃ何も出来る気、しねえよ?」
「.....」
姫乃が黙って前を見る
...姫乃の中で何かが変わればいいんだけどな...
俺と居ることで少しは楽になってくれればいいんだけどな