鈍感彼女
有羽の眉間にシワが寄る
「...なんでもねえよ」
「お前からありがとう、なんて初めて聞いた」
「俺も初めて言った」
「だろうな」
ケタケタ笑う有羽
「斗真も...親に紹介しろよ?」
「は?...嫌だよ、絶対」
姫乃を親に紹介?
絶対嫌だね
それだけは絶対に避けたい
「それでさ、全部見せてみてどう反応するか試せばいいじゃん」
「....」
試す?
姫乃を?
「嫌だね、絶対」
「斗真...」
「姫乃を...危険な目に遭わせたくねえよ」
「けどたける君が居んだろ?」
「あぁ。アイツ、基本的サッカーしかやりに行ってねえから」
「だったら心配ないじゃん。たける君が居たら親父さんも何も手ェ出さねえだろ?」
「.....」
けど...親父に会わせられねえ...
あんな親父...
俺は初めて親のことで悩んだ
俺の親は、ちょっと...いや、
かなり最低な親父だから