鈍感彼女
「斗真が選んだようになればいいけどよ。そこまでうまくできてねえから」
「.....」
俺は黙ったまま
「姫乃ちゃんを守るのは誰?」
「...俺」
「だったら何を迷ってんだよ。迷う必要、お前には要らねえはずだけど?」
「もし違ったら...」
「違っても守って来い。斗真は手段は選ばねえだろ?」
「...よく知ってんじゃねえか」
「当たり前だろ。何年ダチやってると思ってんだ」
2人で怪しく笑う
「とりあえず行って来い。それで何もないことを願ってるんだけどな...」
「あぁ、行ってくる」
俺は姫乃の教室を目指した
「あ、桐吾君!」
「あ?」
振り返ったら知らない女
だけど姫乃と付き合いだした頃につっかかってきた女だ、多分
人の顔覚えてんの、苦手なんだよ
だから全部うろ覚え
関わりがある奴は覚えてるけど
「笹山さんとまだ付き合ってるの?」
「当たり前。用件は?」
「や...やっぱなんでもないわ」
「そ」
その時、その女が怪しく笑ったのが少しだけ見えた