鈍感彼女
「学校、戻ろうぜ。俺が言ってやるから」
「嫌!!戻りたくない!!」
「姫乃...」
姫乃が初めて拒否った
今までは笑ってついてきたのに
相当...傷ついてんだな...
俺は姫乃を抱き締めてる腕に力がこもる
「これからは俺が姫乃を全部守るから。つうか守らせろ。だから...学校戻ろう」
「.....」
姫乃は俺の腕の中でまだ泣いてる
「泣いたら、負けだぜ?だから今は泣くなよ。俺を頼れよ。俺はお前の彼氏だからさ。頼りねえけど...それでも姫乃を想う気持ちは誰にも絶対負けねえよ」
「うん...うん...」
よし、イケるか?
「戻ろう?お前の友達だってお前を心配してる。だから友達だって頼れ。きっと力になってくれっから。...有羽だけには頼るなよ」
アイツは1番危険だから
「...戻る...」
「よし」
俺は姫乃のカバンを背負って、チャリにまたがる
「後ろ乗れ。カバンは姫乃が背負ってな。飛ばすから」
「うん...」
姫乃は遠慮がちに俺に抱き着く
「クスッ。なんでそんな遠慮してんの?」
「斗真...腹筋割れてるもん...」
「有羽に鍛えられたからな、中学時代に。姫乃だってそんなのくさるほど見てきただろ?」
「...うん...」
声の小さくなる姫乃