鈍感彼女


「斗真、先に教室行ってて?」


「は?俺はお前と一緒に行きてえ。話あるならさっさと言ってこい。待っててやっから」


「うん、じゃあ待ってて」


俺は少し離れて壁にもたれて姫乃の表情を見つめる


かすかに聞こえる、声


「いつまで斗真君にくっついてるつもり?」


「くっついてるわけない。あたしが斗真と一緒に居たいと思うから一緒に居る」


「いい加減斗真君から離れてくれない?うざいよ、そういうの」


「そう。うざくていいけど?あたしは斗真だけに愛されればいい。あなたたちに愛されたくないわ、気持ち悪い」


ひ...姫乃が...怖い...


なんか、口げんかを楽しんでない?


あの瞳...


姫乃の表情が生き生きしてるのは気のせい?


「き...!?斗真君の前でそんなこと言わないでよ!!」


「姫...」


「あたしを殴る前に、自分を殴れば?」


す...すげぇ...


姫乃は一瞬にして逃げ、寸止めで相手の頬を殴りかけた


姫乃の瞬発力はたける以上か...?


「これで懲りたら、もう近付かないでくれますよね?」


「は...はい...」


姫乃が勝った...


意外と姫乃って...こえーな...


俺も気を付けないと、いつ刺されるか...


姫乃は笑顔で俺に寄ってくる


「終わったよ♪」


「じゃあ行くか」


姫乃の笑顔は、吹っ切れていた








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