鈍感彼女
「うん。けどあの高校が良かったから...」
「ふぅん」
一瞬だけど...
笹山が目を伏せた気がした
だけど気づかないふりをした
なんか気付いちゃいけない気がして...
「あれ、姫じゃん!!」
遠くから男が歩いてきて、笹山を呼んだ
笹山が微かに震えた気がする
「航...君...?」
誰だ、そいつ
男は嬉しそうに笑ってる
...どう見ても女遊びが激しそう
「超まぐれじゃねえ!?どう?これから一緒に遊ばねえ!?」
コイツ...俺のこと見えてねえ...
「悪いけど、コイツは俺ンだから」
は??って顔して俺を見る
「お前、誰だよ」
「別に誰だっていいだろ。アンタ、目障り。失せろ」
「ッ...」
男を睨むと、逃げて行った
「斗真君...ありがと...」
キュッと俺の制服を掴む
「大丈夫か?」
「ん...」
笹山は少しだけ笑った