鈍感彼女
放課後、俺は有羽と一緒に体育館に顔を出した
「うぉっ...」
姫乃が、一生懸命練習してる
...カッコいい...
本気で思ってしまうほど、フォームはしっかりしていた
「桐吾君、姫乃に会いに来たの?」
姫乃の友達が駆け寄ってきた
「まあな。姫乃、カッコいいじゃん」
「中学では大活躍してたからね~♪」
「へぇー」
姫乃が、ねえ...
俺とはまるで反対だな
「あ、桐吾!!」
「姫乃~」
両手を広げて待ってると、姫乃は目の前で止まる
「?」
「...今あたし、汗臭い...」
姫乃はそう呟いた
「クスッ。ンなの気にしねえって」
「ちょ、斗真!!」
俺は躊躇いなく姫乃を抱き締めた
「お疲れ、姫乃」
「う...うん...」
「キャー!!!♥」
コートから、女子の叫び声
「あ、あたしのラケット...」
...バカ有羽...
有羽がいつの間にか姫乃のラケットを使ってバドミントンに参加している