鈍感彼女
「次、何組?」
「次は先輩んとこ」
「先輩かよ...」
先輩とは絶対戦いたくねえ
しかも俺らが勝ったら何か言われそうだし
嫌だなー、本気で
「斗真、応援してるから♪」
姫乃が笑顔で言ってくれる
俺は姫乃の笑顔があれば、どこまででも行ける気がする
それだけ姫乃の笑顔は効果があるってことか
「兄貴、頑張れよ」
「あぁ」
「負けたら俺にジュースおごって」
「無理。自分で買え、ばかたける」
「ちぇー」
当たり前だろ
「じゃあ、頑張って来るから。姫乃、たけるを見張っててくれよ」
「はーい♪」
姫乃はたけるを連れて人ごみに入って行った
「斗真、次も頑張ろうぜ」
「あぁ」
「桐吾、斉藤、俺らも頑張るから」
「ありがとな」
「次からはもう、勝ち負け気にしないでバスケを楽しむか」
「そうするか。どう見ても先輩に敵うわけないし」
「...勝てそうだぜ」
「え?」
一斉に俺を見る
俺は先輩のシュート練習をじっと見る