鈍感彼女
俺らは行くとこもないので、ブラブラ歩いた
「斗真、どこ行くの?」
「どこ行きたい?」
姫乃と手を重ねるのが好きだった
姫乃の小さな手を握ると、頑張れるから
「じゃあ俺らが始まった公園、行くか?」
「行くー!!!」
クスッと俺は笑った
姫乃もつられて笑う
俺らはゆっくりと歩いて公園に向かう
「あれ...」
公園には1つの人影
顔ははっきり見えない
視力悪いせいだけど...
「先客が居たみたいだな」
「そうだね...もう帰る??」
「そうするか。姫乃は電車乗るんだし」
「うん!!」
俺らは踵を返して公園に背を向けた
「...姫乃!!!」
「え?」
「は?」
後ろから姫乃を呼ぶ声
振り返ると、公園に居た人影が近付いてくる
「知り合い?」
「見えない...」
姫乃も視力、悪いんだっけ?