鈍感彼女
「兄貴が...また壊れた」
「ンだよ、またって」
「前にもあったじゃん、兄貴」
「ねえよ、別に」
「記憶にも残ってねえの!?」
「は?」
コイツ、なんの話してんだよ
「...俺の気のせいかな...よし、気のせいにしておこう」
俺はもう聞く耳を失った
「用事は?」
「別れたの?」
「だから...」
「姫乃先輩、本当に兄貴に惚れ込んでたよ」
「.....」
だったら...
だったらなんで目を合わせなかったんだよ
なんで...別れようなんて...
「何があったか知らねえけど...ちゃんと2人で話し合って解決しろよ」
たけるはそう言い残して、部屋を出て行った
いつもなら心に響くはず
だけど今回は全然響かない
俺の心、死んだのかな
「はぁ...」
俺、これから生きていけるのかな
有羽が聞いたら...驚くかな
...別に、どうでもいいけど...