鈍感彼女
「...斗真、変すぎる」
何も言わなくなったと思って頭をあげた
有羽はどこかへ行ってしまった
「...はぁ...」
少しして、なにか騒がしくなった
「斗真、頭上げろよ」
「.....」
有羽の声
だけど俺は寝てるフリ
面倒事は御免だ
「寝てねえんだろ?頭上げろって」
「ンだよ...」
頭をあげたことに後悔した
目の前には、姫乃が居たから
「......」
俺は立ち上がって教室を出ようとする
「斗真...っ!!」
姫乃が遠慮がちに呼んだ
「斗真、待てって」
有羽が俺の腕を掴む
「離せよ」
有羽を睨み付ける
「何があったか知らねえけど...ちゃんと解決しろよ」
「解決?何の話だよ」
「だから...っ」
「俺はその女と付き合ったことは1度もない。だから揉め事なんて何1つ起きねえんだよ、ばか有羽」
クスッと笑うと有羽は離した
そのまま屋上へ向かった