鈍感彼女


屋上には誰も居ない


「はー...」


ホント、疲れた


姫乃、泣きはらした目をしてた


...でももう関係ない


姫乃は何を言おうとしたんだろう


何を思って有羽は姫乃を連れてきたのだろう


付きまとわないで、とか?


もうあたしは忘れて、とか?


...とっくに忘れてやるっつうの


けど実際は、忘れることも出来ない


俺は他の人の邪魔にならないように端っこで寝転がる


空はゆっくりと、流れてゆく


今の時間のように、少しずつ...少しずつ...


確実に時は刻んでゆく


午前中、何しに姫乃は来た?


言い訳でもしに来たのかな


それとも...笑うため?


姫乃が居なくなって、壊れる俺を、嘲笑うため?


...どうでもいい


もっと時間よ、早く進め


そしたら俺は苦しまずに済む


姫乃の顔を...見ずに済む


誰か、俺を救って


誰か俺に全部を教えて


たとえ傷付いてもいいから...


あの男は一体だれか、全部を教えてください









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