鈍感彼女


気づいたら夕日が傾いていた


「...もう夕方か...」


体を起こす


と、同時にドアが開いた


「有羽...」


有羽がカバンを持って来てくれた


「やっぱ屋上だったか」


「うぉ...」


カバンを投げられる


「さんきゅう」


立ち上がってカバンを背負う


「斗真」


「あ?」


「大丈夫か?」


「何が?」


何を心配してんの?コイツ


「斗真の瞳が、死んでる。部活辞めた時と同じように...」


「気のせい、気のせい。じゃあまた明日ー」


有羽に手を振って、屋上を後にした


普通なら...姫乃と帰っていた


だけど、今日から1人、か...


1人もいいもんだな、やっぱ


「.....」


校門に、1つの女の人影


もう俺以外、グラウンドを横切ってる奴は居ない


部活に励んでる奴はいっぱい居るけど


そいつを待ってんのかな












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