【短編】海に降る雪
「ちょっと、大丈夫だった?」
その様子を見ていた友人が心配そうに声をかけてくれる。
平気だよ、と返す。けど。
明日は私の誕生日だ。
なにか陰湿な企みを持っているに違いない。
どんな誕生日プレゼントを用意しているのか、楽しみだ。
教室の外に目をやると、さっきのリーダーと目が合った。
グループの取り巻き達と、こっちを見てコソコソ話してる。
イヤらしい笑い方。
そんなに真剣にプレゼント考えてくれて、うれしいよ。
そう思う私の手は、震えてる。
楽天的に考えて自分をごまかしてるけど、実は怖かった。