【短編】海に降る雪
■五日目
翌日。
朝からちょっと緊張しているのは、あのラブレターのせいだ。
意味もなく準備体操をしてみる。自分のアホっぽさを笑う。
返す返事はもう決めてる。
『これラブレターじゃなくて、果たし状って言うんだよ』
バッチリ決めてみせる。
通学中に携帯をチェックすると、誕生日のお祝いメールが何通も入っていた。
みんな凝ったデコメールや長文で私を祝ってくれている。
誠心誠意、私も返信しなければ。
ありがとう!と。一括送信。返信終了。
みんなごめん、今日はそれどころじゃないから。
単にめんどくさいからというわけでは、決して無い。
ユウマからのメールもはいってるかも、と思い探したが、無かった。
幽霊はメール打てないから、仕方が無いか。