【短編】海に降る雪


 授業中、ずっと放課後について考える。



 放課後のイメトレだ。チャラ女達に悔しい顔をさせるのが目標だから。


 手を出してくるだろうか。口でののしってくるだろうか。

 どちらにしても、負ける気はない。





 しかし、案の定授業が頭に入らない。


 放課後、文句言ってやる。ちきしょう。



 休み時間に、「絶対来いよ」とリーダーにささやかれる。


 その取り巻きは目が合うたびににらみつけてくる。


 そんなに私が憎いか。私は誕生日だぞ。





 とうとう終礼を終え、放課後を迎える。


 いつもなら真っ先に教室を出るのだが、今日はチャラ女達が先に出て行くのを待った。



 その間、なんとなくユウマの顔を思い浮かべていた。




 ユウマは、心配そうな顔をしていた。
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