【短編】海に降る雪
全員教室にはいったところで、四人目の男が丁寧にドアをしめた。
カチャ、と鍵をかける音。
「これ、どういうことかわかるよね、エーコちゃん?」
愉快そうにしゃべるリーダー。
密室の中に私と、私を嫌ってる女達と、私をイヤらしい目つきで見回す男四人。
あー。これ、大ピンチだ。今さら、ここに来たことを後悔する。
心臓がドクドクいってるのがわかる。無意識に後ずさり。
スタンガン。スタンガン出さなきゃ。
震える手でポケットから取り出す。スイッチをいれ、相手にかざす。
バチバチ。案外頼りない音。
「やっちゃっていいよ」
私の姿を鼻で笑って、リーダーは男達に促した。
ニヤニヤしながら近づいてくる。
先頭の男が急に動きを速めて、私に襲い掛かった。
真っ先につかまれるスタンガンを持った右手の手首。