恋と戦争と甘い食べ物。


濡れたハンカチが、目に当てられる。


悲しそうな、落胆するような表情が美佳には浮かんでいて

私は美佳がいて、良かったと思った。



悲しみを、分け合う親友がいる。


そうじゃないと、悲しすぎて死んじゃう


「…あ」


美佳が、扉を向いて声を上げた。


私も視線を追って、振り返り扉を見る。


案の定、衡がいた。


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