毒舌吸血鬼と妄想少女
お前の世界に入りたいと願う

 その日。

 俺はどうかしていた。

 イブが熱を出し、寝込んだせいで血をもらえなかったのが原因だろう。

 復活し、ガッコーに出かけたイブを、帰り道茂みに引きずり込んだ。

 「…きゃッ?!…り…リズ?」

 制服姿のイブはいつもと雰囲気が違っていた。

 俺は、待ちきれない思いでイブの服をはだけさせ、首筋に噛み付いた。

 「…イブ?」

 イブは、茂みの向こうの男の声に、俺を押しのけ走っていった。

「ごめん!」

 
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