終焉の夜明け




「――てか、こいつ何だったの?」




腫れ上がった顔をして倒れ伏せた
ユータの頭を爪先で蹴りながら、

柚樹がアタシの肩を引き寄せて、
氷みたいな冷たい瞳で見下ろした。





「同クラ……らしいけど知らない。

前に3ケってた時に話しかけられて
里緒が超不機嫌になって、話つけた」



「テストのご褒美で単車貸した日の?」



「うん」



「だからお前だけ帰ってこなかったんだ」






頷くと、柚樹はその場にヤンキー座りして
アタシをまぁるい瞳で見上げてきた。




力強い目線に、ギクリと肩が跳ねた。


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