終焉の夜明け
ずるい奴
「で、そのユータどうすんの」
里緒に一連の事を報告しながら
二人並んで座り込んで駄弁る。
「だから、柚樹と樹梨が殺った」
「違くて、学校でって意味」
「……わかんない」
唇を尖らせると里緒は
クスリと笑みを溢す。
茶色いセミロングを揺らして
アタシに微笑むそのカオは、
美人以外の何でもなくて
ちょっとだけムカつく。
「学校なんて行くから
面倒起こすんだよ。」
「親とか近所うざいもん」
「世間体気にしてウケる」
アタシだって気にしたくない。
でもプライドが許さなかった。
頭固い近所の人たちは
学校に行かない奴等を
落ちこぼれとしかみない。
アタシは落ちこぼれじゃない。