終焉の夜明け




遅いって唇を尖らせた里緒の
隣にどかっとあぐらをかくと

車にもたれて里緒としゃべってた
ピンク頭の男が苦笑いを浮かべる。





「なんだよー」



「いや、女らしくねーと思って」



「女捨ててるから大丈夫」



リューの頭は紫に近いピンク。

前、アタシと勝負して負けたから。



冗談半分だったのに律儀に
染めたリューは良い奴だ。



髪の毛に合わせてカラコンも
マンソンレッドから一変して

グレーになって、代わりに
アイライン書いたりしてて

もろV盤の麺みたいで笑える。



まぁ本当のバンドマンは
プライベートでメイクは
しないとは思うけどさ。





かっこよく見せるために、
一切手抜きしないリューは


里緒やアタシも見習いたいところだ。



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