終焉の夜明け



ドンッ、と突き放すように彼の
胸ぐらを離して里緒の原チャに
飛び乗ってエンジンをかける。





目を見開いたリューだけど
笑って煙草に火を点した。


発進する前にケツに
里緒が飛び乗った。




「野宮(やく)町のスーパー。
あんとき同様おっけー?」



訊くと了承が返ってきて、
アタシの顔はにんまり緩む。




「乃衣、楽しそう」


「気のせいだよ」




空はオレンジがかってきた。

顔がバレないようパーカーの
フードを深くかぶるアタシは





きっと、弱虫じゃなくて
どうしようもないバカだ。


< 125 / 143 >

この作品をシェア

pagetop