終焉の夜明け
――そのまま国道の
潰れたパチ屋に行き
駐車場のど真ん中で
盗(ギ)った物たちを
惜しげもなく並べる。
「やりすぎじゃね?」
苦笑いで言うと里緒は
その場であぐらをかき
ケタケタ笑って見せる。
「久々に腕がなったの!」
「こんな風にやんの中1以来じゃね?」
「そーそー! あたしが
捕まって以来だもんっ!!」
小学生の時からこんな風に
万引きはよくやっていた。
里緒が(ギ)ってアタシが足になる。
コンビネーションは最高で
一時期は周辺のコンビニや
スーパー、薬局すべてに、
私服警官が張り込むぐらい。
当時は里緒のピンクのママチャリで
里緒はピンクのキャップを
アタシは黒パーカーのフードをかぶって
毎日このあたりで犯罪をした。