終焉の夜明け




――そのまま国道の
潰れたパチ屋に行き
駐車場のど真ん中で

盗(ギ)った物たちを
惜しげもなく並べる。





「やりすぎじゃね?」



苦笑いで言うと里緒は
その場であぐらをかき

ケタケタ笑って見せる。





「久々に腕がなったの!」


「こんな風にやんの中1以来じゃね?」


「そーそー! あたしが
捕まって以来だもんっ!!」





小学生の時からこんな風に
万引きはよくやっていた。



里緒が(ギ)ってアタシが足になる。



コンビネーションは最高で
一時期は周辺のコンビニや
スーパー、薬局すべてに、

私服警官が張り込むぐらい。





当時は里緒のピンクのママチャリで

里緒はピンクのキャップを
アタシは黒パーカーのフードをかぶって



毎日このあたりで犯罪をした。


< 131 / 143 >

この作品をシェア

pagetop