終焉の夜明け





いつまでも黙っているからか


抱きついてきた愛樹が
少しだけ離れてアタシを見る。






「……真っ青」





触れた彼女の細い指は
全く傷ついていない。





人ひとり再起不能にするのに
ここまで傷つかずに

慣れたように処理できる彼女。








彼女は、アタシの味方だ。


人を、無感情で傷つけれる人間が
アタシの言いなりなんだ。








それって、もしかして



本当に“やばい”んじゃないか

なんて考えが、今更頭をよぎる。


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