終焉の夜明け
叫びをあげたアタシを、
里緒はケラケラ笑う。
「どんだけ引いてんだよッ!
あたし傷つくー」
「だって里緒が
"ちゃん"付けするからぁ~」
そう、じゃれあっていると……
――ブォンブォンッ
喧(やかま)しい音が、
国道の向こうから響いた。
「あっ、ゆっきーかなぁ~」
里緒は楽しそうに
ニコニコ笑う。
「うん、柚樹(ゆき)だと思う!!」
アタシも里緒に同意して、
自然と頬が緩(ゆる)んだ。