終焉の夜明け
「おい、チビッ、
笑ってんじゃねーよ!」
キッ、と睨まれるが、
アタシはクスッと笑って
逆に睨み付けてやる。
「リューごときが
アタシに勝てるとでも?」
「ったりめーだろ!」
リューは憎たらしそうな顔をして。
でも楽しそうに叫ぶ。
「ふぅ~ん。
じゃあアタシが勝ったら
明日から髪の毛ピンクねっ」
ニヤッと笑って提案すれば、
リューは“上等っ”ニヒルに笑い、
気合い入れて腕捲(まく)りをした。
気合い入ってんなー、
リューのクセして。
でも、アタシが負けるなんて
絶対にあり得ないっ。
「いっくよ~!?」
「いっくぜー!!」
アタシとリューのハモリで、
互いに右手を
勢いよく繰り出した……――。