終焉の夜明け



次第に、リューの拳は震えだした。




ソレとは打ってかわって、
アタシの心は晴々しい。




だって……




「この俺が、12連敗だと……?」




目の前で、本気で落ち込む野郎が
悔しそうに呟くんだもん!




「フンッ、アタシの勝ちだねっ」



リューを見下すように胸を張って、
にんまりと微笑んだ。





「……餓鬼」



そんなアタシに里緒は言う。



「えー?

これ、かなり燃えるよ?」





「乃衣、乃衣っ」



里緒に笑って言うと純に
名前を呼ばれる。



“ん?”と振り返った、その時!




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