終焉の夜明け
「チビは恋愛を知らない
餓鬼ンチョだもんな~」
「うっさい、黙れバカ」
ツンッ、と唇を尖らせて、
隣にいる純に寄り添う。
「おっ、なに?
寂しくなったの?
ったく、乃衣は可愛いなぁ~」
純はアタシに気づいて、
そっと肩を抱く。
「離せヘンタイ」
「ひっ、ヒデーよ、乃衣ぇ!」
純は傷ついたような声をあげて、
更にアタシに近づいてくる。
「……寄るな、発情期」
「うっ。ヒデーよ乃衣。
俺が乃衣の事好きって
知ってて言ってる?」
テキトーにあしらうアタシを、
純は捨てられた子犬みたいな目で見てくる。