終焉の夜明け
アタシがそう言えば、
柚樹はフッと笑った。
そして、ゴツゴツした男らしい手で
アタシの頭を
ガシガシガシッて撫で付ける。
「舐めんなよ。
俺だって捕まりたかねぇーもん。
歩いて、帰ろ」
「……アタシん家、徒歩45分だけど」
さすがにそんな距離
歩かせらんねぇーよ。
「バーカ、だから送るんだよ。
つぅか電車で帰れば15分だろ」
「……終電おわった」
ケータイで時間を確認してから
"サラッ"と吐き捨てると
柚樹は“あっ”と苦い顔をする。