終焉の夜明け


アタシがそう言えば、
柚樹はフッと笑った。



そして、ゴツゴツした男らしい手で

アタシの頭を
ガシガシガシッて撫で付ける。




「舐めんなよ。
俺だって捕まりたかねぇーもん。

歩いて、帰ろ」



「……アタシん家、徒歩45分だけど」




さすがにそんな距離
歩かせらんねぇーよ。



「バーカ、だから送るんだよ。

つぅか電車で帰れば15分だろ」



「……終電おわった」



ケータイで時間を確認してから
"サラッ"と吐き捨てると


柚樹は“あっ”と苦い顔をする。



< 40 / 143 >

この作品をシェア

pagetop